« 大人釣りキャンプ その5. | トップページ | 大人釣りキャンプ その7. »

大人釣りキャンプ その6.

せせらぎが近いことでその存在を感じるが、歩いていく人にとっては、見過ごしてしまうような小さな沢。緑が濃く、水量が減るこの季節は、流れそのものが林道からは見えにくく、「まさか、こんな沢で釣りになるなんて」と疑ってしまいたくなるような、そんな沢。

苔むした巨岩やブナの倒木を乗り越えながら、急な流れの落ち込み一つひとつを丁寧に狙っていくと、必ず、潜んでいる。それも、意外なサイズが出る。

こちらの気配を勘付かれないよう、そうっと流れに近づき、竿を出すようにアドバイスする。

私はまだ竿を出さずに、後ろから、あそこらへん、ここらへんとポイントを指差す。

糸の扱いに慣れないうちは、狙ったポイントに針を落としてやることさえ難しい。

そう、慎重に………ほら、もうかかった!

短めの竿の先がきゅきゅんとしなり、水面下の妖精の動揺をつぶさに教えてくれる。

 「ゆっくり、ゆっくりね…」

Yちゃんの、初の獲物。20センチはあるかな。腹がすっかりオレンジに色づいて、婚姻の季節が近いことをあらわしている。型のいい岩魚ちゃん。キレイだ。

「やったぜ、釣れたね!」

「やりましたよとらじろうさん!!」

どれどれ、と岩魚の口をあけてみると、エサにしたぶどう虫のほかに、大きなアリを喰っている。

「ほれ」

「うわ~、なんか、野生を感じますね」

針をはずして、川の水で流しながらナイフで腹をさばく。川魚はすぐにさばかないと、臭みが出る。

「どれ、エサ、つけてあげようか」

「いえ、大丈夫です。自分でやってみます」

なんと! 朝はエサ箱のぶどう虫にラジオ体操よろしく拒絶反応していたYちゃんが、自分でエサをつけるという。

「うわー! プニるー! なんで1回で刺さらないんでしょうねコイツ」

な? マカロニと一緒だべ?

|

« 大人釣りキャンプ その5. | トップページ | 大人釣りキャンプ その7. »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/526472/52608793

この記事へのトラックバック一覧です: 大人釣りキャンプ その6.:

« 大人釣りキャンプ その5. | トップページ | 大人釣りキャンプ その7. »